現代において、多様化する家族形態、複雑化する家族の悩み(生活困窮、子育ての困り感、うつ等の精神的な問題等)、無縁社会(地域のつながりや、親戚等の血縁関係者との関係の希薄化等)、社会規範の低下(子どもの商品化、売春などの人身取引の低年齢化)、情報化社会による誤情報や差別の見えない化、等々これらの要素が複数・複雑に絡み合いうことにより、家族が家族機能を果たすことが難しかったり、個人が自分の居場所を持てない中で、子どもの遺棄を含めた子ども虐待が増加しています。
私たちがこの妊娠葛藤相談の窓口を開設したのは、社会的不利な状況(自分ではどうすることもできない環境)におかれ、思いがけない妊娠をし、誰ともつながることができずにいる女性が、『自分の人生を自ら選択できる拠点』になりたいと思ったからです。
現代の複雑な人間関係や社会環境の中で、多かれ少なかれ誰しもが生きにくさを感じています。思いがけない妊娠は個人の問題だと考えられがちですが、社会的不利な状況の中に置かれたら、誰しも同じ状況になってしまうのではないでしょうか。
子どもや若者、家族を取り巻く現在の問題は、個人の問題なのでなく、私たちひとりひとりの問題なのです。
相談してくださった方のよりよい選択が守られるよう、地域の医療・福祉・関係機関と連携し、支えていきます。